「孤篷の人」

雨続きでひんやりしすぎる毎日。

『孤篷のひと』(葉室麟)読み終わる。

大名で茶人で有名な作庭家でもある小堀遠州の生涯を描いた作品。

それぞれの章に茶道具と歴史上の人たちの逸話。

【白炭】

「茶の道を学ぶものは利休さまのようでなくてはならぬ、利休さまのようではならぬ。

織部さまのようでなくてはならぬし、織部さまのようではならぬ。」

【肩衝】

初花肩衝、新田肩衝、櫟柴肩衝、万代屋肩衝。

本能寺の焼け跡から掘り出された背高肩衝。

【投頭巾】

茶入れ、楢柴と投頭巾。

秀忠が選んだのは投頭巾。何故?

【此世】

小さな壺を香炉に見立て利休が此世と名付けた。

【雨雲】

本阿弥光悦が焼いた楽茶碗『雨雲』。

【夢】

金地院崇伝と沢庵の生き方。

【泪】

利休が最後の茶会で用いて古田織部に与えた手作りの茶杓『泪』

【埋火】

灰被天目と茶杓埋火。

藤堂高虎と後水尾天皇、お与津御寮人

【桜散るの文】

伊達政宗が催した茶会、床の間の掛物は定家の『桜散之文』

重篤の病を得ていた政宗は茶会の後間もなく亡くなる。

【忘筌】

八条の宮の桂離宮の庭園を作り上げる。

逝去後、小堀遠州は大徳寺孤篷庵に葬られた。

 

………………

深すぎて怖い茶の心。

小堀遠州は「ともに命を慈しみ、生きようとする心」を念じて茶を点てるという。

小説の中の東福門院和子や御与津御寮人が優しく聡明な女性で幸せな境遇で終わったのが嬉しい。

 

テレビ番組で茶道上田宗箇流を訪ねた葉室麟氏、意外と普通のおじ様。

靴下で庭下駄を履いて茶庭の露地を歩く。

ちょっと歩きにくそうでした。

偉そうな作家先生より好感。

 

寒いから土鍋で古奈屋のカレーうどん(冷凍)。

美味しい 楽しい ラーメン るんるん

あめ雨の日は気圧も低いのか、香を焚いてみたけど煙が低く流れるあめ

お日様が恋しいな。

 

 


「歌舞伎 家と血と藝」

『歌舞伎 家と血と藝』

面白かったぁ!

新書なんだけど445ページもあって読み応えたっぷりで中身も濃い。

 

成駒屋が東西にあること。

坂東彦三郎家が尾上菊五郎と同じ音羽屋であること。

守田勘彌、坂東玉三郎、坂東三津五郎が、同じ大和屋であること。

謎だったことが、本を読んでいるときは(なるほど!)と納得した。

読み終わったらややこしすぎて(なんだっけ……)しょんぼり

 

頂点を極めた家が跡取りに恵まれず凋落したり、じっと耐えていた家が繁栄したり。

歌舞伎役者は『家』を守るためには、芸はもちろん後継者も政治力も必要なようです。

頑張れ!音羽屋 拍手 ❣❣❣

 


ママコノシリヌグイ

 

シュウメイギク

 

ノブドウ

 

 

 


「読書の秋?」

 

ビデオデッキが壊れた!

2時間サスペンスを倍速で見まくったり、せっせとCMを削除して保存したり。

かなりハードデイスクに無理な使い方をしていたのかも。

サービスセンターに連絡したら、結構修理代が高くつきそう悲しい

 

…ということで、テレビを見ずに、図書館から借りて積んどいた本を読んでおります。

『檀林皇后私譜』

久しぶりの杉本苑子。

平城天皇から皇位を継いだ弟の嵯峨天皇の皇后、橘嘉智子。

美しく優しい女性なのに、一族の政権争いに巻き込まれていく。

体調を崩して一度は弟に天皇位を譲った平城上皇は、再び復権を目指して嵯峨天皇と対立。

薬子の乱を起こす。

貴族や寵姫、親王、内親王が暗躍しては滅びていく。

 

現代のように後継の皇族が少ないのも大変だけど、多すぎるのも大変だわ。

今上天皇の退位をなかなか認められなかったのも、古えの沢山の争いがあるからだろうか。

 

著者の杉本苑子氏。(1925〜2017)

吉川英治の唯一の弟子だったという。

歴史番組の解説者として出演していました。

ニコニコ可愛い老婦人だったけど、語る歴史は的確でした。

 

小腹がすいたので、ウインナ、キャベツ、エリンギ、ブロッコリー、ちょこっとずつ残ったのを放り込んでスープ。

 

豆苗第2弾、栽培中。

 

金木犀、盛りです。

空気に芳香が満ちてます。

 

 

 

紫香楽宮関連か、大型柱穴発見。

滋賀県甲賀市

奈良時代に聖武天皇が造営した紫香楽宮(しがらきのみや、742〜745年)跡、発見。

…………

何だワクワクしますねぇ。ときめき

 

 

 

 


「ひとりの午後に」

上野千鶴子著『ひとりの午後に』

テキパキと強烈なジェンダー論をちらっと読んだことはあるけど、この本は字の大きさも行間も程よく、内容もちょこっとソフトに心に響く。

 

【自分の年齢より10歳ばかり年長の人たちと意識して付き合ってきた。

 将来のことはわからないが、10年先ならなんとか想像が及ぶ気がしたからだ。

 20年も30年も先の事だと想像力の射程を超える。

 30代の終わりに、その時自分より10歳年長の尊敬する女性に「40代になってラクになりましたか?」と尋ねたことがある。

 その人は、私を哀れむように見て、こう言ったものだ。

 「そうねえ、ちっともラクにはならないわねえ。30代には30代の、40代には40代のつらさがあるものよ。】

 

【[今の自分]が[昔の自分]より、少しはましになっているとは感じる。

  忍耐強くなった。寛容になった。その分だけオトナになった。還暦を過ぎて「オトナになった」はないものだけど。】

 

困った事に、ワタクシより10歳くらい年長の方、とっても真面目に生きていたような気がする。

真剣に時代を考えていたような気がする。

高度成長期に浮かれて青春していたワタクシのこれからの指針になるのだろうか。

 

 

秋海棠

 

 

秋明菊

 

イタドリ

 

芙蓉

 

アレチウリ

 

葛(クズ)

 

 

 


「女を観る歌舞伎」

嫉妬する女 身を落とす女、運の悪い女、女じゃなかった女、無理する女、罪な女、化ける女、リードする女、突っ走る女、男勝りな女、エロい女、いじめられる女、子を持つ女、笑う女、操を立てる女、義理を立てる女、だめんず好きな女、親思いの女、追う女。

 

 

エロい女から、『夕立』一幕の舞踊。

洲崎の土手で夕立に会った御殿女中滝川あめ

駕籠を担いできたお供の者は激しい雷鳴に驚いて逃げ出してしまった。

戻ってきたちょい悪中間(武家の下級使用人)の七之助は気を失っている滝川を強姦する。

滝川には初めての経験で、七之助に惚れて一緒に逃亡してしまう。

 

菊五郎の七之助と時蔵の滝川。

小屋の中から出てきた滝川の帯が後ろで結んであったはずなのに前で結んである。

…一線を越えたらしい抱擁ラブ マル秘 (笑)…。

二人とも演じているのはオジサンなのに、本当にエロっぽかったのですときめき

2009年歌舞伎座の舞台写真。

 

 


「緋の天空」

 

暑い毎日は家にこもって読書三昧。

でも、年齢のせいか焦点が合いにくくて根気が続かない悲しい

老後はたっぷり読書しようと思ったのにな。

 

好きな時代だし、好きな作家だし。

期待して読んでみた。

私的には、あまり面白くなかった。

 

長屋王の乱、帝位を狙って画策する長屋王が悪役。

皇子サマ大好きのワタシとしては、強引に光明子(主人公)を皇后にしようとする藤原氏の陰謀にしたい。

光明子が慕う長屋王の息子膳夫は父と共に滅びる。

光明子は興福寺の阿修羅像に凛々しかった膳夫を想う。

 

奈良に行って阿修羅像に会いたくなりました。

でも、葉室麟の作品は、やはり江戸の女が魅力的です。


「都と京」

酒井順子著「都と京」

東京は都か?…と納得できない題名ですが、京都と東京を比較してあって面白い。

エッセイストって色々発見して文章にする、やっぱりすごいお仕事だわ。

 

「はる」と「らっしゃる」

東京弁にもこの言葉があるといいなぁ。

最も近いのが「〜してらっしゃる」なんだろうけど、

「うちのパパがゴルフしてはった時にな」

「うちのタローが道端でおしっこしはってな…」

「仏さんが守ってくれはった」

圧倒的な存在にも、犬にも「はる」なわけで、「はる」は敬語ではないようである。

 

 

なぜ人は京都で殺されるのか。

赤い霊柩車、京都祇園入り婿刑事事件簿、京都殺人案内、京都の芸者弁護士事件簿、京都鴨川東署迷宮課おみやさん、

京都迷宮案内、京都地検の女、科捜研の女。

それから山村美紗原作のサスペンスもほとんど京都が舞台。

優美さと暗さ、京都にはそれがあるようです。

 

…京都が舞台のサスペンス、私も大好きです。殺人事件の惨さが少しソフトになります。

 

東京には空がない…とかつて智恵子は言ったそう。

まだ高層ビルも建っていなかった時代、智恵子はなぜそう感じたのか。

東京には山が無いからなのでは、と筆者が思う。

山というのは空を美しく見せるためには最も効果的な小道具。

智恵子も安達太良山の上の空が本当の空だという。

 

京都は都なのに山がある。

山が与える包容感、大きくて頼もしい存在に何となく手を合わせて拝みたくなる。

 

…………

我が家からは丹沢の山が見えます。

当たり前に存在している風景のありがたさ。

改めて山と空の美しさを認識しました。

山の姿には大きく包み込むような安心感を覚えます。

 

 

 


「日々是好日」

森下典子『日々是好日』(にちにちこれこうじつ)

「お茶」が教えてくれた15の幸せ

 

昔読んだものを文庫本で再読。

 

序章  茶人という生きもの

第1章 「自分は何も知らない」ということを知る

第2章 頭で考えようとしないこと

第3章 「今」に気持ちを集中すること

第4章 見て感じること

第5章 たくさんの「本物」を見ること

第6章 季節を味わうこと

第7章 五感で自然とつながること

第8章 今、ここにいること

第9章 自然に身を任せ、時を過ごすこと

第10章 このままでよい、ということ

第11章 別れは必ずやってくること

第12章 自分の内側に耳をすますこと

第13章 雨の日は、雨を聴くこと

第14章 成長を待つこと

第15章 長い目で今を生きること

 

 

20代で茶道を始めた著者、最初は驚いたり、不思議に思ったり。

茶碗蒸しの蓋つき椀みたいな漆器、「これがナツメよ」

「ひらがなの『こ』を書くのよ」

(なんで『こ』なんだろう、どうせならまんべんなく拭けばいいのに)

「最後に音を立てて飲み切るの」

(音を立てて飲むなんて、変だな)

茶筅とうじ、ゆっくり持ち上げてくるりと回す動作を三回繰り返す。

(なんだかお焼香みたいで変だな)

 

なんで???

「なぜでも、いいの。意味なんか分からなくても、こうするの」

「それがお茶なの。理由なんていいのよ、今はね。」

「頭で覚えちゃダメなの。手が勝手に動くようになるの。」

 

抵抗を覚えながら稽古を繰り返すうちに(あ…、手が勝手に動いた…)。

若葉を打つ雨の音、枯葉を打つ雨の音が違うことに気づいた。

 

………………………………………

 

高価なお道具が集合する大寄せお茶会はやっぱり面倒くさい。

でも、自然の移り変わりや人の心を感じるお茶は素敵だと思う。

私も、このままでいい…と今を楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「人間の煩悩」

佐藤愛子著『人間の煩悩』を読んだ。

愛子先生ほど潔くは生きられません。

自分に都合の良いところだけ、覚書。

 

『…人間関係は最初が肝心…

何事も最初が大切である。

最初に気取っていいところばかり見せるとボロを出すまいと緊張し続けなければならない。

私は私の人生を生きてきた。

それで相手がドギモを抜かれて逃げていくとしたらやむを得ない。

(後になってからボロが出るよりは)』

 

『元気の源

神様は私たちに「忘れる」と「馴れる」というありがたい能力を与えて下さった。

数々の試練に耐えてこられたのはそのお陰である。

友達は「そんなのただのノーテンキってことじゃないの」』

 

『インターネットにウイルスが侵入しているという声がテレビから聞こえる。

コンピューターにもバイキンがつくのか?

どんなバイキンと娘に質問し、嘲笑に耐えて説明を聞いているうちに頭がぼ〜っとしてきた。

アホでも生きていける世の中にせよと私は叫ぶ。』

 

 

買い物をしながらお散歩。

早春の楽しみ、不思議な形のマンサクの花、今年も咲いていました。

 

 

 

道祖神の可愛い注連飾り。

道路工事などで掘り起こされた道祖神を新しくしてお祀りする人達の心がゆかしい。

 

 

 


「山月庵茶会記」

 

妻の不貞を疑って、自害させてしまった武士柏木靭負が、16年後に茶人となって帰国する。

庵を結んで、昔関係のあった人物を招いて、妻の自害の真実を探ろうとする。

人として、侍として、茶人として、各々が悩みながら生きていきます。

お家騒動と茶道と絡ませて人間関係をあばいていきます。

不義を疑われて自害した藤尾、靭負の茶会を手伝う嫁の千佳、江戸藩邸奥を取り仕切っていた浮島、老儒学者の妻の波津…。

葉室麟の女性はこの作品でも素敵です。

 

武骨な又兵衛が友の靭負のために催す茶会が楽しい。

茶の湯の沸いた一瞬を見逃すまいと茶釜をにらんで息を詰める。

柄杓を持つ手が震えて釜に当たりカチカチ音を立てる。

濃茶がひどく泡立って、抹茶の粉が縁にこびりついている。

でも講釈は大宗匠なみ。

緊迫した客達の関係が和んでくる。

 

あちこちに茶道の知識。お勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

 


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