「おらおらでひとりいぐも」

 

雑然とした部屋で74歳の桃子さんは色々なことを考える。

16年間一緒に住んだ老犬が身罷ってから、柔毛突起があらわれた。

不思議な音が聞こえて、色々なことを思い出す。

大好きだった亡夫の事、妻として、母親としてちゃんと生きてきたこと。

でも自分とは何だろう。

脳内ではなぜか若い頃の岩手の方言で語る。

 

主人公の桃子さんはちょっと年上だけど、偶然にも去年見送った飼い犬の年齢も同じ。

部屋の散らかり具合にどきっとして部屋を見渡した。

(小説の文章ほどはひどくないよなあ…(-_-;))

地球46億年の歴史が大好きな桃子さん、過去と未来を考える。

おらはおらである。まだ戦える。まだ終わっていない。

白い雲、指のささくれ、なんだって意味がありありがたい。

 

漢字が少なく字も大きめ。

東北弁の響きは何となく懐かしい。

純文学は苦手で、芥川賞作品なんて…と敬遠していたけどほっこり勇気の出る作品でした。

見かけはくたびれたおばあちゃんでも、一生懸命生きて、青春があって、けっこう哲学的なことも考えているのだ。

 

 

 

 

 


「王城の護衛者」

司馬遼太郎『王城の護衛者』

 

 

松平容保、会津藩九世藩主、12歳で縁戚から養子に入る。

容姿が美しい少年で学問や軍学も見事に修めていたようだ。

 

会津には藩祖保科正之が遺した家訓がある。

「およそ正直をもって本とせよ」

「身に便利なことはよろしからず。窮屈なるを善しとする。」

「藩目的は、藩主の幸福のためではなく、藩の繁栄のためでもなく、ただ将軍家のため。」

 

家訓に縛られた会津藩は、尊攘浪士や薩長、土州藩過激派で荒れる京都守護職を火中の栗を拾うような心境で受けざるを得なかった。

禁裏内の公家も尊王攘夷で乱れており、孝明帝は、誠実な容保を愛し頼りにする。

当時28歳の容保は徳川宗家慶喜に翻弄され、一途に帝を守ろうとするのに、薩長に追い詰められて、賊軍、朝敵の汚名を浴びて会津藩もろとも滅びていく。

 

容保の晩年は殆ど人と交際せず終日ものも言わない日が多かった。

細い竹筒を離さず肌身につけていて、死後遺臣が開けてみると、孝明帝が送った宸翰(天皇の手紙)が入っていた。

「容保を信頼し、忠誠を喜び、無二の者と思う」
逆族の汚名を受けても何の抗弁もせず、ひそやかに余生を送った容保がなんとも痛ましい。

 

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

両親は福島県出身でした。

昔、司馬遼太郎好きの義父に「会津の人は立派だ、福島の人はすばらしい。」と言われて不思議に思ったことがあります。

娘時代は、飾らなすぎる実家の両親を「かっこ悪いなぁ」と思っていました。

会津の哀しい歴史を知ってから、福島県の人は素敵だと思うようになりました。

 

 

 

 


「孤鷹の天」

 

最近のマイブーム。

シーリングライトを消して、ダイニングテーブルの上のペンダントだけつけて、薄暗いリビングのカーペットに縫いぐるみを抱いて寝っ転がります。快感です。

 

落ち着いたところで、読みかけの小説「孤鷹の天」澤田瞳子作。

少女漫画みたいなカバー絵を裏切って633ページの大作。

大学寮で学ぶ青年たちが、安倍上皇と大炊帝、道鏡、恵美押勝らの政権争いに巻き込まれていく。

真面目な主人公の斐麻呂、悩みながら一生懸命生きる。

斐麻呂の主の勝気な少女、広子、貴族の姫なのに斐麻呂も驚く行動力。

なんとか奴婢の身から抜け出そうとするたくましい赤土。

赤土を応援してこっそり学問を教える大学寮の学徒たちが爽やか。

夢中で読んでいたら、AM2時でした。(=_=) 💤

 


「「司馬遼太郎」で学ぶ日本史(磯田道史)」

何だろう、この面白さ。

師走の気ぜわしさなんて全く気にならずに一気読み。

テレビの歴史番組でよく見かける磯田先生、単なる歴史マニアじゃない。

歴史を通して、過去じゃなくて未来を見ている。

 

司馬遼太郎、私も大好きなんだけど、意外と小説を読んでいない。

覚えているのは短編の「尻啖らえ孫市」くらい。

でも、「街道を行く」「この国のかたち」のシリーズはほとんど読んだ。

「竜馬がゆく」 「国盗り物語」 「坂の上の雲」「菜の花の沖」「花神」はテレビドラマで見た。

どれもとても良質のドラマだった。

................

 

信長はすべてが独創的だった。

秀吉はその性格が明るかったのも、美質だった。

家康は物の上手であっても独創的でなかった。

 

女性の好みについて

信長は美しいものであれば男でも女でも好んだ。

秀吉は高貴な女を求めた。

家康は「産む女」を好んだ。 (この国のかたち)

 

「花神」の大村益次郎、「竜馬がゆく」の坂本龍馬の人間的魅力。

討幕派は既存の国家を壊すことが先で、新国家の青写真を持っていた人物は坂本龍馬だけであった。

.........................

坂本龍馬、日本史の教科書から削られちゃうらしい。

残念です。

 

司馬史観なるものにとらわれてはいけないらしい。

でも歴史をちゃんと知って、これからに生かすことは大事だと思う。

 

 

 

 

 

 

 


「孤篷の人」

雨続きでひんやりしすぎる毎日。

『孤篷のひと』(葉室麟)読み終わる。

大名で茶人で有名な作庭家でもある小堀遠州の生涯を描いた作品。

それぞれの章に茶道具と歴史上の人たちの逸話。

【白炭】

「茶の道を学ぶものは利休さまのようでなくてはならぬ、利休さまのようではならぬ。

織部さまのようでなくてはならぬし、織部さまのようではならぬ。」

【肩衝】

初花肩衝、新田肩衝、櫟柴肩衝、万代屋肩衝。

本能寺の焼け跡から掘り出された背高肩衝。

【投頭巾】

茶入れ、楢柴と投頭巾。

秀忠が選んだのは投頭巾。何故?

【此世】

小さな壺を香炉に見立て利休が此世と名付けた。

【雨雲】

本阿弥光悦が焼いた楽茶碗『雨雲』。

【夢】

金地院崇伝と沢庵の生き方。

【泪】

利休が最後の茶会で用いて古田織部に与えた手作りの茶杓『泪』

【埋火】

灰被天目と茶杓埋火。

藤堂高虎と後水尾天皇、お与津御寮人

【桜散るの文】

伊達政宗が催した茶会、床の間の掛物は定家の『桜散之文』

重篤の病を得ていた政宗は茶会の後間もなく亡くなる。

【忘筌】

八条の宮の桂離宮の庭園を作り上げる。

逝去後、小堀遠州は大徳寺孤篷庵に葬られた。

 

………………

深すぎて怖い茶の心。

小堀遠州は「ともに命を慈しみ、生きようとする心」を念じて茶を点てるという。

小説の中の東福門院和子や御与津御寮人が優しく聡明な女性で幸せな境遇で終わったのが嬉しい。

 

テレビ番組で茶道上田宗箇流を訪ねた葉室麟氏、意外と普通のおじ様。

靴下で庭下駄を履いて茶庭の露地を歩く。

ちょっと歩きにくそうでした。

偉そうな作家先生より好感。

 

寒いから土鍋で古奈屋のカレーうどん(冷凍)。

美味しい 楽しい ラーメン るんるん

あめ雨の日は気圧も低いのか、香を焚いてみたけど煙が低く流れるあめ

お日様が恋しいな。

 

 


「歌舞伎 家と血と藝」

『歌舞伎 家と血と藝』

面白かったぁ!

新書なんだけど445ページもあって読み応えたっぷりで中身も濃い。

 

成駒屋が東西にあること。

坂東彦三郎家が尾上菊五郎と同じ音羽屋であること。

守田勘彌、坂東玉三郎、坂東三津五郎が、同じ大和屋であること。

謎だったことが、本を読んでいるときは(なるほど!)と納得した。

読み終わったらややこしすぎて(なんだっけ……)しょんぼり

 

頂点を極めた家が跡取りに恵まれず凋落したり、じっと耐えていた家が繁栄したり。

歌舞伎役者は『家』を守るためには、芸はもちろん後継者も政治力も必要なようです。

頑張れ!音羽屋 拍手 ❣❣❣

 


ママコノシリヌグイ

 

シュウメイギク

 

ノブドウ

 

 

 


「檀林皇后私譜」

 

ビデオデッキが壊れた!

2時間サスペンスを倍速で見まくったり、せっせとCMを削除して保存したり。

かなりハードデイスクに無理な使い方をしていたのかも。

サービスセンターに連絡したら、結構修理代が高くつきそう悲しい

 

…ということで、テレビを見ずに、図書館から借りて積んどいた本を読んでおります。

読書の秋ですものね 読書 もみじ

 

『檀林皇后私譜』

久しぶりの杉本苑子。

平城天皇から皇位を継いだ弟の嵯峨天皇の皇后、橘嘉智子。

美しく優しい女性なのに、一族の政権争いに巻き込まれていく。

体調を崩して一度は弟に天皇位を譲った平城上皇は、再び復権を目指して嵯峨天皇と対立。

薬子の乱を起こす。

貴族や寵姫、親王、内親王が暗躍しては滅びていく。

 

現代のように後継の皇族が少ないのも大変だけど、多すぎるのも大変だわ。

今上天皇の退位をなかなか認められなかったのも、古えの沢山の争いがあるからだろうか。

 

著者の杉本苑子氏。(1925〜2017)

吉川英治の唯一の弟子だったという。

歴史番組の解説者として出演していました。

ニコニコ可愛い老婦人だったけど、語る歴史は的確でした。

 

小腹がすいたので、ウインナ、キャベツ、エリンギ、ブロッコリー、ちょこっとずつ残ったのを放り込んでスープ。

 

豆苗第2弾、栽培中。

 

金木犀、盛りです。

空気に芳香が満ちてます。

 

 

 

紫香楽宮関連か、大型柱穴発見。

滋賀県甲賀市

奈良時代に聖武天皇が造営した紫香楽宮(しがらきのみや、742〜745年)跡、発見。

…………

何だワクワクしますねぇ。ときめき

 

 

 

 


「ひとりの午後に」

上野千鶴子著『ひとりの午後に』

テキパキと強烈なジェンダー論をちらっと読んだことはあるけど、この本は字の大きさも行間も程よく、内容もちょこっとソフトに心に響く。

 

【自分の年齢より10歳ばかり年長の人たちと意識して付き合ってきた。

 将来のことはわからないが、10年先ならなんとか想像が及ぶ気がしたからだ。

 20年も30年も先の事だと想像力の射程を超える。

 30代の終わりに、その時自分より10歳年長の尊敬する女性に「40代になってラクになりましたか?」と尋ねたことがある。

 その人は、私を哀れむように見て、こう言ったものだ。

 「そうねえ、ちっともラクにはならないわねえ。30代には30代の、40代には40代のつらさがあるものよ。】

 

【[今の自分]が[昔の自分]より、少しはましになっているとは感じる。

  忍耐強くなった。寛容になった。その分だけオトナになった。還暦を過ぎて「オトナになった」はないものだけど。】

 

困った事に、ワタクシより10歳くらい年長の方、とっても真面目に生きていたような気がする。

真剣に時代を考えていたような気がする。

高度成長期に浮かれて青春していたワタクシのこれからの指針になるのだろうか。

 

 

秋海棠

 

 

秋明菊

 

イタドリ

 

芙蓉

 

アレチウリ

 

葛(クズ)

 

 

 


「女を観る歌舞伎」

嫉妬する女 身を落とす女、運の悪い女、女じゃなかった女、無理する女、罪な女、化ける女、リードする女、突っ走る女、男勝りな女、エロい女、いじめられる女、子を持つ女、笑う女、操を立てる女、義理を立てる女、だめんず好きな女、親思いの女、追う女。

 

 

エロい女から、『夕立』一幕の舞踊。

洲崎の土手で夕立に会った御殿女中滝川あめ

駕籠を担いできたお供の者は激しい雷鳴に驚いて逃げ出してしまった。

戻ってきたちょい悪中間(武家の下級使用人)の七之助は気を失っている滝川を強姦する。

滝川には初めての経験で、七之助に惚れて一緒に逃亡してしまう。

 

菊五郎の七之助と時蔵の滝川。

小屋の中から出てきた滝川の帯が後ろで結んであったはずなのに前で結んである。

…一線を越えたらしい抱擁ラブ マル秘 (笑)…。

二人とも演じているのはオジサンなのに、本当にエロっぽかったのですときめき

2009年歌舞伎座の舞台写真。

 

 


「緋の天空」

 

暑い毎日は家にこもって読書三昧。

でも、年齢のせいか焦点が合いにくくて根気が続かない悲しい

老後はたっぷり読書しようと思ったのにな。

 

好きな時代だし、好きな作家だし。

期待して読んでみた。

私的には、あまり面白くなかった。

 

長屋王の乱、帝位を狙って画策する長屋王が悪役。

皇子サマ大好きのワタシとしては、強引に光明子(主人公)を皇后にしようとする藤原氏の陰謀にしたい。

光明子が慕う長屋王の息子膳夫は父と共に滅びる。

光明子は興福寺の阿修羅像に凛々しかった膳夫を想う。

 

奈良に行って阿修羅像に会いたくなりました。

でも、葉室麟の作品は、やはり江戸の女が魅力的です。


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