地下鉄東銀座の改札を出たら弁天小僧。
木挽町広場への通路にも弁天小僧。
菊五郎さま、75歳の弁天小僧を見てきた。
実はちょこっと心配だったのです。
炭水化物抜きダイエットを頑張ったらしい。
なるほど少しすっきりしたようです。
さすがの極め付き弁天小僧。
登場すると劇場内が掛け声と拍手に満ちて熱くなる。
これが団菊祭なのだと我を忘れて一生懸命拍手してしまった。
松也くんが父親の松助さんの持ち役だった鳶頭をさっそうと務める。
海老蔵が父親團十郎の持ち役の日本駄右衛門を務める。
いつも明るい菊五郎サマが、記者会見で珍しくしんみり言っていました。
「平成20年上演の團十郎の日本駄右衛門、三津五郎の忠信、先に逝ってしまって非常に寂しい。」
私もとても切ないです。
弁天小僧が振袖を脱いであぐらをかいて襦袢姿になつたら、日本駄右衛門が「かたりが現れてもびくともしない... 。」と言い出した。
弁天小僧、「ちょっと待った。」とさり気無く小粋に止めた。
(あれ?こんなセリフあったかな…???)
それから「番頭さん、たばこと煙管を貸してくれ」とか言って煙草盆を引き寄せる。
煙管を使って悪態をつき、日本駄右衛門に「定めて名のある者であろう」と問い詰められてから「知らざあ言って聞かせやしょう」と名台詞。
片肌脱いで入れ墨を見せる。
手元に煙管がなくっちゃ格好がつきませんからねえ。
ひょっとして海老蔵くん、とちったかな?
菊五郎サマの弁天小僧相手に初の大役。
彼でも緊張したのかな。
極楽寺山門上での立ち廻りもスピード感は別にして、見せるべきところでのポーズはきりっと決まる。
片足での見得もぶれない。
菊五郎劇団のチームワークと暖かさをすごく感じる舞台でした。
劇場前の看板、菊之助くんの喜撰の写真を指しながら「月照さま!月照さま!」と若い女性が喜んでいました。
大河ドラマ『西郷どん』の僧月照さま、上品で儚くて素敵でした。
この喜撰のようなとぼけたお坊さまではありません。
ちょっと暑い日だったので、アイス最中。
お出かけ途中、バス停へ急ぐ道路脇にキキョウソウが咲いていました。